Story
逢いたくて・・・ あなたが恋しくなってペンを走らせています。 なつかしい私の大好きなあなた。 できることなら、飛んでいって首玉をつかんで 思う存分愛撫して、私の気持ちも知ってもらいたいです。 結婚間もないしづゑは戦地への夫に恋文を送り続けた。 一つ一つの言葉が愛に包まれていた。 昭和20年。激戦地フィリピン 男たちは連合軍の圧倒的な物量の武器と火力、そしてマラリアに襲われ、 敗走する日々を送っていた―――。死にたくなる時もあった。 だが男は生きる希望を捨てなかった。手紙が生きる希望だった。 【引用元:劇団方南ぐみ】